アトリエデリスの佐々木文彦シェフは、国内でフランス料理を修行後に単身渡仏し、フランスのレストランにて研鑽を積みました。フランス人の食に対する接し方、国として食を大切にする取り組みに感銘を受け、日本でも食を楽しみ、食を大事にする文化を育みたいという想いが芽生えました。帰国後、宮城県蔵王町のホテルに5年間務めた後に蔵王町で独立。2004年に、蔵王の食材中心に使用した洋惣菜と洋菓子、ケータリングのお店として アトリエデリス をオープン。食を楽しみ、食の大切さを伝える為に、専門のフランス料理店ではなく、ケータリングを一つの柱とした想いに、佐々木シェフの料理人としての矜持がありました。
フランスで修行された佐々木氏ですが、動機は単に料理技術に興味があったと言う訳ではない様です。佐々木氏は、「本場に行ってフランス料理の技術を学びたいと言うより、フランス人のおじいちゃんやおばあちゃんは、毎日何を食べてるんだろう?と言う興味があったんですよ」と言います。フランスにも地域毎に特有の料理があり、各地域の気候風土で食べられている料理には必然があるのではと、佐々木氏は考えます。地域における料理の成り立ちを知りたいと言う気持ちが、佐々木氏の原動力となっています。
佐々木氏がフランスで目にしたものは、全員が食いしん坊の国で、食べ物が豊富な国という光景でした。当時は、日本人は生きる為に食べてるけど、フランス人は食べる為に生きていると感じたそうです。フランスのマルシェでは、地域の肉や野菜などのお店が並び、お客さんは店主とじっくりコミュニケーションをしてその日の食材を購入します。家庭では、誰と何を食べるかを大切にし、時間をかけて食事を楽しみます。政府は豊かな食文化を持続する為に、子供への食育に取り組み、次世代に伝える努力を怠りません。料理人は、地域の食材を担っていると言う高い意識があり、農業者への大きな尊敬を持っています。そうしたフランス人の食への意識が、農業大国フランスという姿を映し出していました。
食べ物を守る事は農業を守る事、農業を守る事は国を守る事だと佐々木氏は言います。佐々木氏は、フランス修行中に小学校での食育活動に参加し大切な活動と感じた事から、宮城県蔵王町においても小学生への食育に尽力し、現在の農業者への畏敬を欠きません。「料理人として、農業者と消費者を繋いでいく事も大切です。お客さんが美味しいと言ってくれるのは、農業者の手柄で、それをきちんと農業者に還元しないといけない」と佐々木氏は言います。メニューの話を伺うと、決まってまず始めに、地元の食材や調味料が登場します。美味しい料理を提供できるのは、農業者の手柄という現れなのでしょう。
美味しさの源が農業者であるなら、料理人として佐々木氏が提供するものは何か。美味しい料理を創るのは、料理人の一番の根底にありますと、佐々木シェフは言います。続けて「美味しさって色々あると思うんですよ。美味しさって味覚だけですか?って。彼女が作ってくれたチョコレートや、久しぶりに集まった友達と食べるご飯、アウトドアで食べる皆で作ったカレー。そういうのって美味しいじゃないですか。それを私は、"心の美味しさ"って表現してます。心の美味しさを提供したいと思ってます」。いろんな人が関わって生まれる楽しく美味しい体験。そういった幸せな場を佐々木シェフは作り続けています。
佐々木シェフは、食の楽しさを伝える時間を作るために、飲食店を開業しませんでした。食事は手段だと言い、ケータリングであれば、楽しい場所を演出したり、遠くまで届ける事ができます。その結果として、「楽しい食事の場が人を繋げていきます。知らない人同士が、一緒に食事やお酒を飲んで仲良くなりますよね。会議の場ではそうはならないですよ。一緒にご飯を食べて飲むから仲良くなるわけですよ。そうやって新しいコミュニティができて、"幸せの食の環" ができてくるんです」と言います。心の美味しさを提供するために、誠心誠意、一生懸命に料理を作り、地域食材を使ってどう表現するかが大切だと。佐々木氏は、料理人である次のステージとして、どうやって"幸せの食の環"を形にするかにチャレンジしています。
皆で集まって楽しければ、料理はどうだっていいと言ってしまう佐々木氏。その反面、ご自身の料理には並々ならぬ情熱を注ぐのが佐々木氏。今回ご紹介する商品は、どれも生産者や食材への愛が感じられるものばかりです。
蔵王爽清牛とJAPAN X(地元の銘柄豚)を半々に配合したお肉と、蔵王の玉ねぎと竹鶏ファームの卵を使用した、蔵王山麓オールスターとなったハンバーグです。40分かけて低温調理で仕上げ、肉感のあるもっちりした食感をお楽しみ頂けます。和風ソースは、地元蔵王の醤油と梨を利かせています。デミグラスソースは、和牛の筋と竹鶏ファームの鶏ガラに、野菜を入れて一週間かけて仕上げました。
フランスでは、ラードで豚肉を煮込みますが、日本人には脂っこくて口に合いません。白ワインで煮込む事で、あっさり仕上げています。あっさりし過ぎないように、甘くて美味しい脂が特徴のJAPAN Xのバラ肉を使い、旨味が出るまで練り上げた逸品です。フランス人からも評判が良い商品です。
*あまねでは、現在佐々木氏と当店用のリエットを開発中です。販売まで今暫くお待ちください。
佐々木氏曰く「すごく拘って作っています。ビーフシチューは自信があります。ワインを飲む方に是非食べて欲しいです。」と言う逸品です。漢方和牛の煮る方法と、野菜を溶かし込ませたソース作りに拘り、ワインをたっぷり使って煮詰める作業を繰り返すこと一週間。シェフ渾身のビーフシチューです。
アトリエデリスは、蔵王の食材中心に使用した洋惣菜と洋菓子、ケータリングのお店です。佐々木シェフが蔵王町に根を張り、日々食に向き合う幹の部分には、「私たちは、幸せの食卓創造企業だと思っています。皆さんのいろんな幸せ、味だけではなく、いろんな食卓のシーンを応援、創造していく企業です。」という背景があります。取材中にも、地元の常連さんや若いカップルが訪れ、楽しそうに買い物をする姿が見られました。ぜひ「心の美味しさ」を味わいにアトリエデリスを訪れてはいかがでしょうか。
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