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柚子胡椒(ゆずこしょう)は、青唐辛子と柚子の皮、塩を合わせた九州生まれの薬味です。名前に「胡椒」とありますが、こしょうは入っていません。九州では唐辛子のことを「こしょう」と呼ぶため、この名前になったといわれています。
材料はたった3つ。そして、使う柚子が青いか黄色いかで、仕上がりの色も味わいも変わります。この記事では、宮城県角田市の自社農場「合同会社太良衛門」が、青唐辛子「龍の尾」を使った自家製柚子胡椒の作り方を、青柚子と黄柚子の両方についてご紹介します。
柚子は秋から冬にかけて少しずつ黄色く色づき、熟していきます。九州の郷土料理として紹介される柚子胡椒は、色づく前の「青柚子」を使う緑色の柚子胡椒です。農林水産省の郷土料理の紹介では、9月ころの柚子が良いとされています。
一方で、しっかり実った「黄柚子」で作る柚子胡椒もあります。太良衛門の龍の尾を使って人気店「となりの肉そば」の料理人が仕込む「そば屋のゆず胡椒(龍の尾仕込み)」も、黄柚子を使っています。料理人いわく、黄柚子で作ると味がまろやかに仕上がるとのこと。実が大きく育っているぶん1個からとれる皮も多く、無駄なくたっぷり仕込めるのも黄柚子の良さです。
| 青柚子の柚子胡椒 | 黄柚子の柚子胡椒 | |
|---|---|---|
| 柚子の時期 | 夏の終わり〜秋(色づく前) | 晩秋〜冬(しっかり実ってから) |
| 仕上がりの色 | 鮮やかな緑 | 黄みを帯びた色 |
| 味わい | 青柚子ならではの香りが立つ | まろやかな味わい |
| 皮のとれ方 | 実が小さく、皮は少なめ | 実が大きく、1個からとれる皮が多い |
| 青唐辛子 | 旬の生の青唐辛子をそのまま使う | 旬のうちに確保して保存しておく(次の章) |
どちらが正解ということはありません。鮮やかな緑と青柚子の香りを楽しみたいなら青柚子、まろやかな味わいでたっぷり仕込みたいなら黄柚子。手に入る時期に合わせて選んでください。
ひとつ注意したいのが、時期のずれです。黄柚子がしっかり実るころには、生の青唐辛子の収穫は終わっています。黄柚子で作りたい場合は、青唐辛子が出回っているうちに手に入れて、保存しておくのがポイントです。
青唐辛子と柚子の皮は、同じ重さが基本です。柚子の香りを強くしたいときは皮を、辛さを強くしたいときは唐辛子を少し増やして、お好みに調整してください。そのときは、増やした分の重さの20%の塩も足します。
青唐辛子を素手で刻むと、辛み成分が皮膚について手がひりひりと痛み、なかなか取れません。フードプロセッサーのふたを開けたときに、目や喉を刺激されることもあります。手袋・マスク・メガネを着け、換気扇を回してから始めてください。
青唐辛子を水で洗い、キッチンペーパーで水気を完全に拭き取ります。水分が残ると、傷みやカビの原因になります。ヘタを取り、粗く刻みます。
【ポイント】辛さは「わた」で調整できます。唐辛子の辛み成分は、種そのものではなく、種がついている白い「わた(胎座)」で作られます。龍の尾は辛みの強い品種なので、初めて作るときは、半量ほどの唐辛子からわたと種を取り除くと、辛さが穏やかになります。辛さのしくみは「青唐辛子の辛さの正体とは?」で詳しく紹介しています。

柚子を洗って水気を拭き、表面の色のついた皮だけを、おろし金ですりおろすか、ピーラーで薄くむいて細かく刻みます。皮の内側の白い部分は苦みが出やすいので、なるべく入れないようにします。皮をむいた後の柚子は果汁を搾り、少しだけ取っておきます。
青唐辛子と柚子の皮をフードプロセッサーにかけて、細かくします。包丁で作る場合は、細かく刻んだ後にすり鉢ですると、なめらかに仕上がります。
塩を加えて、全体をよく混ぜます。固すぎるときは、取っておいた柚子の果汁を少しずつ加えて、ペースト状に整えます。
煮沸消毒した瓶に詰め、表面を平らにならします。空気に触れると色が変わりやすいので、表面にラップを密着させてからふたをして、冷蔵庫へ入れます。作ってすぐでも使えますが、1〜2週間ほど寝かせると塩のカドが取れて、味がなじみます。

この記事では、塩を材料の重さの20%にしています。保存性を優先した、家庭で作りやすい配合です。
農林水産省の郷土料理の紹介では、塩を多く入れると長く保存でき、青唐辛子の緑色も安定する一方で、柚子の香りが抜けてしまうこと、反対に塩が少ないと色が早く変わってしまうことが説明されています。
塩を減らすと香りは立ちますが、色が変わりやすく、日持ちも短くなります。塩を控えめにして作る場合は、少量ずつ作って早めに使い切るか、小分けにして冷凍してください。
時間がたつと、色は少しずつくすんでいきます。カビが生えたり、においがおかしいと感じたりしたときは、食べずに処分してください。
Q. 青柚子と黄柚子、どちらで作るのがおすすめですか?
A. 好みと時期で選んでください。鮮やかな緑と青柚子の香りを楽しむなら青柚子、まろやかな味わいで、たっぷり仕込みたいなら黄柚子です。黄柚子で作る場合は、青唐辛子を旬のうちに確保して保存しておきましょう。
Q. できあがりが辛すぎました。
A. 柚子の皮を足して混ぜると、辛さが和らぎ、香りが強くなります(足した皮の重さの20%の塩も一緒に加えます)。次に作るときは、わたと種を取り除く唐辛子を増やしてください。
Q. フードプロセッサーがなくても作れますか?
A. 作れます。包丁でできるだけ細かく刻み、塩を加えてからすり鉢ですると、なめらかになります。
Q. 柚子胡椒はどんな料理に合いますか?
A. 鍋、うどん、そば、焼き鳥、刺身など、和食の薬味として幅広く使えます。鍋での使い方は「鍋の薬味の使い分け」、料理への使い方は「鶏肉の柚子胡椒焼き」や「柚子胡椒パスタ」で紹介しています。
人気店「となりの肉そば」の料理人が仕込む「そば屋のゆず胡椒(龍の尾仕込み)」は、旬の龍の尾をしょうゆに漬け込んでおき、しっかり実った黄柚子と合わせて仕込んでいます。そのため、色は緑ではなく深みのある色。まろやかな味わいに、醤油のほのかな香りが重なります。原材料は唐辛子・柚子・食塩・しょうゆの4つだけ。化学調味料や保存料は使っていません。
青柚子で作る緑の柚子胡椒と、料理人が黄柚子で仕上げた醤油仕込みの柚子胡椒。食べ比べると、同じ柚子胡椒でもここまで違うのかと感じていただけるはずです。商品が生まれた経緯は「そば屋の極上ゆず胡椒」でご紹介しています。
柚子胡椒は材料が少ないぶん、青唐辛子の鮮度が香りを左右します。太良衛門の青唐辛子「龍の尾」は、太良衛門の畑で代を重ねて育て続けた独自の品種です。栽培期間中農薬不使用で育て、朝に収穫したものをその日のうちに発送します。
青柚子で作る方はすぐに、黄柚子で作る方は醤油漬けや冷凍で保存しておけば、冬まで仕込みを楽しめます。余った分は「三升漬け」にすれば、無駄なく使い切れます。龍の尾は季節商品のため、なくなり次第、今季の販売を終了します。
太良衛門の青唐辛子「龍の尾」
朝採り当日出荷・栽培期間中農薬不使用。柚子胡椒・三升漬け・醤油漬けの仕込みに。
公式ショップで見る(300g 1,480円〜) Amazonで見る(300g・500g・1kg) Yahoo!ショッピングで見る(300g) ポケットマルシェで見る(300g) 食べチョクで見る(300g)※Amazon・Yahoo!ショッピング・ポケットマルシェ・食べチョクは外部ショッピングサイトです
今年は青柚子で、それとも冬を待って黄柚子で。自分だけの柚子胡椒を、ぜひ一度仕込んでみてください。
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